JuneBrideに憧れて-at the Re_new name.佐倉子音-

駅に着く頃には、終電も近くなっていた。



「…帰れそう?」

「…多分、ぎりぎり…。」




 夜しか見れない という事から、少しは予想していた。
時刻表を見ながら、終電に間に合うか考える。




「…よし、これに乗ろう。」

「う、うん。」



快速列車に乗り込んだ。
 車内は意外に空いていた。



何度か乗り換えをした。
 二人が住む町には、あと一本乗り換えれば辿り着く。






「…行きはそんなに遠く感じなかったのに、不思議だね。」

「…あぁ、…お、あの電車で最後みたいだ。」


 終電ギリギリだった。

降りる駅までは、結構な距離があった。

気付けば、二人とも疲れ切っていた。



「…なんか、疲れたな。」

「そ、そうだね。」


  逃したら帰れない 
    そんなプレッシャーもあったのだろう。






「でも、久々にわくわくした。」

「…うん。」












「…そうだ、こんな噂知ってる?」


 そう切り出したのは、彼女だった。


「…ん?」

「好きな人の名前と誕生日を書いて、その下に同じように、自分の名前と誕生日を書くの。」

「それでね…、その紙を燃やすと…、その人と両想いになれるんだって。」

「…何だそれ。」

「なんかね、今こっちで流行ってるの。」

「…ふーん。」


  都会でも田舎でも、女の子がこういう話を好きなのは、変わらないんだな…


「そ、それで…さ。」




 子音は鞄から、メモ用紙のような物を取り出した。
その紙には、今彼女が言ったように、彼女の名前と誕生日
そして、僕の名前と誕生日が書かれていた。

「奏太くんの誕生日、これであってた…よね?」

「あ、あぁ。」

「雨宮子音との約束はもう終わったの、だから…これは、佐倉子音との、約束。」


 僕はメモ用紙を手に取った。


「…名前が違っても、子音は子音だよ。」


  彼女が書いたその裏に、僕の名前と誕生日
 そしてその下に、彼女の名前と誕生日を書き込んだ。


「ずっと一緒にいる、約束…な。」

「…うん、約束。」





それぞれの名前が描かれた
 小さな小さなその紙は
  二つの心を共に奏でる
   永遠に続く 約束の証…。












-JuneBrideに憧れて

At the re_new name
雨宮 子音








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JuneBrideに憧れて-at the Re_new name.雨宮子音#4-




「…もう、川の近くまで来たみたい…だな。」  




耳を澄ますと、わずかに川のせせらぎが聞こえる…。



「…あの頃は、ここまででも結構歩いたように感じたけど…」



…当時 小さな二人にとっては大冒険の舞台だった世界も、二人が大きくなれば、それ程の事でもなかった。



身の丈ほどあった草むらも、今では腰ほどの高さしかなかった。








「あ…。」  



川辺の岩に、淡い光を見つけた。



「蛍…よかった…。」  











正直、少しだけ不安だった。

あの日以来、ここに来た事はなかった。 




まだここにホタルがいる とわかっただけで、少し安心した。




「ねぇ、奥に行ってみようよ。」


「あ、あぁ。」  




少し歩くと、あの泉があった。









「…綺麗。」









 
…あの時と、同じだった。 水面に淡い光が呼応する…。






ホタルの光に映されて、彼女の横顔が少しだけ見えた。


「…綺麗だな…」





枝葉の間を飛び交う姿は、時間を忘れさせた。



「…正直、ちょっと不安だったんだ。」


「…どうして?」




不思議そうに、子音が聞く。




「…ここに来るまで、昔はあんなに大変だったのに、今来てみればそうでもなかった。」

「変わっちゃったな って思った。」




「…でも、ここに来てわかった。 目線や歩幅が変わっても、心は昔のままだって。」







「…うん。」








帰り際、彼女はそっと呟いた。





「…約束、守ってくれてありがと。」 人気サイトランキングへ
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JuneBrideに憧れて-at the Re_new name.雨宮子音#3-

桜の散る中で、僕らは幼い頃の思い出を、少しずつ振り返っていた。

 二人で過ごしていたわずかな時間を、少しでも取り返そうとしていた。





「…約束、覚えてる?」  




そう切り出したのは、彼女だった。


「…あぁ、忘れた事なんてないよ。」

「…そっか、ありがと。」



「…でも、こっちには、いないんだろうなぁ…。」

「…うん。」  





夜になると明るく、煌びやかな光が辺りを包む。山のないこの土地で、ホタルを探す事は現実的ではなかった。



「蛍の季節になったらさ、二人でもう一度、あの場所へ行ってみないか?」







彼女は、よほど嬉しかったのか、満面の笑みを浮かべていた。


「うん、そうしよう」




雨宮子音 との約束を果たす事ができる。 その現実が、たまらなく嬉しかった。









…6月  梅雨入りし、雨が続くようになった。




「…子音、次の土曜日、空いてないか?」


「だ、大丈夫だよ。」  





土曜日は朝から晴れるそうだ。夕立こそあるだろうが、夜には止んでいるだろう。   





現実は思ったより早く時が流れ、すぐに「約束の日」が訪れた。



「…懐かしいなぁ。」


「…うん、俺も、2ヵ月離れただけなのに、ずっと昔の事のような気がする。」



…きっとそれは、2ヵ月前に住んでいた事よりも、彼女と約束を交わした日の事を強く感じていたからで、その間の時間、何も得ていなかったんじゃないかと、錯覚さえ覚えた。




…真っ暗な山道を、二人で歩いた。




「…あの頃は、こんな道でも平気で歩いてたよな。」    



…怖い物なんて、なかったのかもしれない。


「子音、怖くない?大丈夫?」




それはきっと、自分にも言っていて。


「…うん。」  





子音が僕の手を握るその瞬間まで、その言葉を聞くまで、勇気 とかそういう言葉の存在を忘れていた。







…子音が優しく、手を握る。






「…奏太くんと一緒なら、怖くないよ。」   







…10年前の、あの日と同じだった。 人気サイトランキングへ
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JuneBrideに憧れて-at the Re_new name.雨宮子音#2-





教科書の配布も終わった。

佐倉という女の子の席が、僕の斜め前にある という事に気付いた。




「では、今日はこれで終わりです。気をつけて帰るようにしてください。」





・・帰ろう、そう思った矢先、彼女の席の隣で、僕の足が止まった。









「佐倉・・子音さん・・?」




配られたばかりの教科書には、綺麗な字でそう書かれていた。






「・・? 私の名前、どうかしたの?」



「・・いや、・・昔、仲がよかった人と同じ名前だったから・・、珍しい名前だし、つい・・」


「・・・。」

「ねぇ、ちょっと時間ある?」



教科書をまとめ、鞄に入れながら彼女が言う。



「・・あぁ。」














教室から出て、非常階段を登ると、屋上に出た。










「ここ、本当は立ち入り禁止なの。」


「あ、そうなのか。」


「でも誰も来ないし、大丈夫だよ。」


「・・うん。」







 どうして呼ばれたのか、わからなかった。















「・・ねぇ、本当にわかんない?」


「・・何の事?」


「・・仕方ないよね。」


「・・?」






少し強い風が、二人の間を駆け抜けた。



「・・ねぇ、こうして二人でいるとさ、何だか世界にたった二人しかいないような、そんな気がしない?」









・・あの時と同じ・・?





「・・佐倉・・さん?」




「・・昔みたいに、子音って呼んでいいんだよ?」







・・訳がわからない。




 彼女は、雨宮子音ではないのに・・。




















「・・ごめん、混乱しちゃうよね。」
「去年、お母さんが離婚したの。」


「雨宮子音は、佐倉子音になったんだよ。」




「・・じゃあ、本当に・・。」



「・・うん、奏太くんがこっちの学校に来るなんて思わなかったから、ビックリしちゃった。」


「・・俺も、・・君がどこに行ったかとかわからなくて・・、もう会えないんじゃないかって思ってた。」



「・・あれから、10年か・・。」

















彼女の声に懐かしさを覚えたのは、気のせいではなかった。

 この日、僕達は再会を果たした。 人気サイトランキングへ
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JuneBrideに憧れて-at the Re_new name.雨宮子音-







あれから10年近く経って、僕も家の都合で 遠い場所に引っ越す事になった。





辺りに山も何もない、都会の街だった。












「転校生の常盤奏太です、よろしくお願いします。」




前いた学校とは違い、皆、何かに追われているような顔をしていた。







「・・奏太くん?」


「は、はい。」



ホームルームの後、最初に話しかけてくれたのは、透き通るような白い肌の女の子だった。









「ごめんね、皆、今年受験でピリピリしてるの。」


「・・へぇ、前いた所じゃ、あんまりそういうのなかったな。」





「佐倉さん、先生がさっき呼んでたよ。」

「あ、うん。  ・・ごめん、もう行くね?」

「あ、ああ。」




佐倉・・さんか。


 彼女の声に、一瞬懐かしさを覚えた。










「・・常盤君、だっけ。」


突然話しかけられた。
 彼は、隣の席に座っていた。



「佐倉さんがあんな風に話すのって、珍しいんだぜ。」

「・・へぇ、そうなのか。」



「まぁ来たばっかりでわかんないだろうけど、佐倉さんも転校生だし、何か思うところがあったのかもな。」


「・・ふーん。」




「それより、これから始業式。 もう体育館行かないとやばいよ。」

「あ、うん。」











都会は人が多い。

そのイメージは間違いではなく、広大な体育館いっぱいに、大勢の生徒が並んでいた。















始業式が終わり、簡単なプリントの配布などが終わると、チャイムが鳴った。





「・・奏太くん、こっちの学校、馴染めそう?」




話しかけてきたのは、佐倉さんだった。



「・・どうだろ、正直まだ、不安かな。」



「・・私も最初はそうだったよ。うちは特に、転校が多いから・・。」




 ・・そういえば、さっきの奴もそう言ってたな。


「・・そっか。」




・・話せば話す程に、その声が彼女と被る。


しかし、そんなはずはないのだ・・

僕と『約束』を交わした彼女の名前は、「雨宮子音」なのだから・・。
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JuneBrideに憧れて-at the Re_new name.#0-


初恋は、5歳の頃の訪れた。




梅雨の中休み、当時5歳だった僕は、幼馴染の「雨宮子音」と、ある『約束』をした。






「今日の夜、また二人で遊ぼうよ。」


「えっ?夜? でも、そんな事したら・・。」


途端に子音が、不安そうな顔を見せる。


「見つかんなきゃ、平気だって。
  暗くなったら、ここに集合な。」


「・・う、うん、わかった。」



 ・・幼心の、好奇心だった。

















「あ、遅い・・。」


待ち合わせの場所に行くと、既に子音が待っていた。


「ごめん、父さん、なかなか寝なくて・・。」




連日の雨のおかげで、最近外に出ていなかったからか、僕はどんどん暗い方へと歩を進めた。



「ねぇ・・あんまり行ったら、帰れなくなるよ?」


「大丈夫だって。 ・・この辺が、いつもの川の近くかな?」


「・・そうみたいだね、真っ暗で何も見えないけど、川の音が聞こえる・・。」






真っ暗で静かな場所
 水の流れる音と僕らの声だけが、辺りに響いた。








「あ、あれ・・、なんだ?」


「・・え?」


「・・ほら、あそこ、光ってる。」






淡い緑色の光が、灯ったり消えたりしていた。




「・・あれ、蛍・・だよ、本に書いてた。」

「・・でも、見たのは初めて・・。」



「・・あ、あっちに飛んだよ。」



光が宙を舞う姿が、不思議でたまらなかった。





「・・ねぇ、行ってみない?」


「うん。」




その光を追いかけ、僕らは川沿いを歩いた。




「・・ここまで登ったのって、初めてだな。」



暗くて、子音の表情こそ見えなかったが、繋いだ手の震えは、いつしか治まっていた。


「・・うん。」






「・・綺麗・・。」



背の高い草むらを抜けると、そこには美しい泉があった。






辺りの木々にはホタルが飛び交い、それぞれの光が水面に呼応する・・。











・・子音が、静かに口を開く。





「・・こうして二人でいると、なんだか世界に私達しかいないような・・そんな気がする。」





幻想的な風景

これが、僕たちだけの物だと思うと、何だか嬉しくなった。





「・・ここの事は、誰にも内緒だからな。」



「・・うん。」





「・・ねぇ、大きくなったら、絶対また来ようね。 ・・約束だよ。」




「・・うん、約束。」






















数日後、雨宮子音は姿を消した。



どうして と両親に聞いても、「遠くに引っ越した」としか答えてくれなかった。






・・こうして、二人だけの大冒険は、幕を閉じた。 人気サイトランキングへ
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-小説-JuneBrideに憧れて まとめページ





-JuneBrideに憧れて-



~第一部~

-1-和泉杏奈の物語

-2-和泉杏奈の物語

-3-和泉杏奈の物語

-4-美島優の物語

-5-柳川真也の物語

-6-柴崎亜子の物語

~第二部~

美島優の物語

和泉杏奈と皆の物語






~番外~


遠い未来の物語

淡い恋の物語




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JuneBrideに憧れて-特別編-

携帯片手に、私は授業なんか聞かずに あるサイトを見てた。

 ・・楓の・・幻灯・・?







-JuneBrideに憧れて(特別編)





淡い恋の物語-桧野川志保の場合














TheAtName.麻生 勇美







 私、桧野川志保は、これまで取り立てて変わった事はしていなかった。

ただ平凡に、毎日を楽しく暮らせていた。



ただ、少し前に私は考え方が変わってしまった。


 いつからか他人は、私の事を外見だけで判断するようになってしまっていた。

可愛いからと、女友達からは遠ざけられ
 可愛いからと、男からは持て囃される。

私はそんな日々が嫌いだった。



クラスで孤立している中、私は授業も聞かず、あるサイトを覗いていた。


恋の魔法 だとかで、それまで私はそういうのに興味があったし、憧れたりもしたけど

今の私にはそういうの、必要ないかな って思い始めてた。



 信じられる人なんて、どこにもいない・・・。














そんな日々が変わり始めたのは、つい先日の事だった。



 バイト先で偶然見かけた、見知らぬ男の人に 私は恋した。




思わず、バイトを早く切り上げて、その人の後を追った。


 普段そんな事できない私なのに、その時は思わず声をかけてしまった。


「えと・・さっき注文取らせてもらった者ですが・・。」


     「そ・・そうですか・・。」


 急に声かけて、変な人かと思われたかもしれない・・

  顔が赤くなってるのを感じながら、でも 辺りが真っ暗なのに気付いてほっとした。


「この辺に住んでるんですか・・?」


     「ん・・近くはないかな? 遠くもないけど・・。」

「そ、そうですか・・。じゃぁ私、そろそろ帰りますね♪ ありがとうございました。」



   ここで終わる恋だって思ってた。


    この男の人を見た時

       雰囲気って言うのか


  何か、思う所があったのかもしれない。


      でも、ただそれだけで恋が成立するわけなんて無いって、そう思ってた・・。








     「よかったら、送るよ?」





 この一言が出るまでは・・。



「え・・いいんですか?」


    「え・・そちらがよければ?」


「ど、どうぞ。」


  私の顔は、暗闇に紛れて見えないけれど

   私の事を、外見で判断せずに

     こうして接してくれただけでも嬉しかった。

 片時恋した人が

  理想の人だった・・。



  


「あの・・、なんかすいません、こんな所まで・・。」


      「あぁ、いいのいいの。」


「えと・・お家はどちらですか・・?」

      「ファミレスの向こうです♪」


「・・」

      「じゃ、おつかれさま♪」



   ・・優しい人。

 久しぶりに、人の心に触れたような気がする・・。



「-あの・・。」


      「は、はい?」


「よかったら・・電話番号を・・。」




  恋したら、自分でもどうしていいかわからない。


 恋したら、自分でもどうしてそんな事になったのかわからない。




  携帯を持つ手が震えてたけど、私はその夜、勇気を持ってその人に電話した。

   いい人っているんだな・・。







・・そうだ。



 私はふと思い付き、そのサイトを開く。



「・・恋の魔法・・。」


  恋の魔法
  
    ・好意を持つ相手の戸籍に記入されている実名と、誕生日を書き。その下に自分の名前、誕生日を記入して、その紙を燃やすと、その相手と結ばれる。

    ・どんな紙に書いてもかまわない。

    ・異性であれば、どんな状況であってもそれは行使されるが、同姓に対しては適用されない。
 
    ・どちらか片方のみが、この契約を行使しても それは相手と結ばれるまでの時間だけであって、この契約はその後の事を保障しない。

    ・この契約は、自分が、自分の名前を書かないと執行されない。

    ・この契約を執行した後、一週間の間に、起こりうる全ての状況で「きっかけ」が発生する。 しかし、執行した者が、「きっかけ」を利用しないなら、この契約によって結ばれる事はできない。

    ・可能性としては極めて低い物ではあるが、両者がそれを同時に、同じ炎で燃やす事があれば、この契約は両者が死ぬまで持続する。

    ・上記の場合、両者の寿命は、書いた時点での両者の平均寿命をとって決められ、両者は 「同じ場所」「同じ時間」「同じ原因」で死ぬ。



この際、どんな事にでも頼りたかった。

 私は一人で戦えるほど、勇気のある人間じゃない・・。









 数日後、私はクラスの男子に告白されて、また断った。

断る度、私の事を悪く言う人は増えていったけど

  でも、私はそんな事 気にならなくなっていた・・。




・・誕生日・・。


名前は、聞けたけど・・。




 さりげなく聞けば、教えてもらえるよね・・?






私と彼は、もう何度も会っていたし、一緒に遊びに行ったりもするようになった。



 外見が格好いいとか、そういうんじゃない。

雰囲気とか

 振る舞いとか

  彼の至る所から、優しさが伝わってくる・・。






 彼と会ったのは、3月の中盤。




「あみゅ、こんばんわ♪」


  あみゅって呼んでるのは、彼の名前の最初と最後の文字

 あ と み を取って付けたあだ名。

     「しほさん こんばんわ。」

  彼は私と会う時、決まって緊張してる。

   最初はそんな事なかったのに、私の顔見てから緊張するようになったのかな?


やっぱり、私の外見を見て 優しくしてくれたんじゃないんだってわかって、私はそれが嬉しかった。



     「そだ、志保さん 誕生日いつなの?」

「え・・、え・・?」

   急に聞かれてびっくりした。

「2月だよ、あと、さん付けないでいいから・・。」


     「2月かぁ・・。」

     「呼び捨てって、恥ずかしいじゃん・・。」


「どしてそんな事聞いたの?」


     「んやー、俺昨日誕生日だったからさ。」

「え、そうなんだ・・、おめでと♪」


     「ありがと、でも・・、2月かぁ・・。」

「・・?」


     「お祝いするまで、結構待たなきゃだね。」

「あはは・・。」



  誕生日も、案外簡単に聞けた・・。


    後は、紙に書いて 燃やせばいいんだよね・・。








私は帰って、すぐに彼の名前 誕生日と、その下に 私の名前と誕生日を書きこんだ・・。


 こんな事して、効果があるなんて思わないけど


  でも、こんな事にでもすがりたくなる自分がいて・・。





ベランダに出て、その紙を燃やした・・。


  次に彼と会ったのは、3月の末だった・・。





 これまで一緒にいたり、話したりしていてわかった事がある。

私は、彼より一つ年上だって事だ。


 それでもそんなの気にしないで、全部おごってくれたり

メールも、私が寝るまで付き合ってくれたり


優しい彼が好きだった。

  どうしても、忘れられない存在だった。



告白して、断られた後の事を考えるのが怖くて 逃げ出したくなった。

 ・・でも



恋の魔法なんて信じないけど


   私は、運命は信じるよ・・。







私と彼は、最初出会った場所で待ち合わせをした。


 今日告白しようって 決めてた。





     「んと・・それで、今日はどしたの?」

「え・・えっとね・・。」

     「ん・・?」

  顔が赤くなってるのに気付いて、余計に恥ずかしくなる・・。

 いざって時ほど、口は言葉を紡いでくれない・・。


・・私の、バカ・・。


「んと・・ その・・さ・・?」



     「志保・・、無理に今言わなくてもいいよ?」


「・・わかった。」


  ・・だめだな・・私・・。


     「志保、俺も言いたかった事あるんだ。」


「な、なぁに・・?」



  不安で壊れてしまいそうだった・・。


   もしこの恋が失われれば

     私には何も残らない・・。




    





     「んと・・、俺さ、志保の事・・その・・、好きだから・・。」


     「・・付き合ってください。」


「-・・」


「私・・も・・、好きです。付き合ってください・・。」


     「志保・・?」


     「こっち来たかったら、おいで?」


「うん・・。」


 
  彼の胸の中で、ひとしきり泣いた。

    好きな人は理想の人で

  理想の人は、私を好きでいてくれた・・。




     「・・で、言いたかった事ってなぁに?」


   彼の顔を見上げると、彼は悪戯っぽく微笑んでいた。

「・・あみゅのばかぁ・・。」








 おまじないなんて、迷信かもしれないし

   もしかしたら、本当に成功する物なのかもしれない。

でもね、私・・思うんだ。



 このおまじないがなかったら、私はきっと彼に告白する事だってできなかったと思う。

気休めでもいい

 少しの勇気でも与えてくれる、恋の魔法・・。



    最後に彼は、泣きじゃくる私の耳元でこう囁いた・・。


      「大丈夫、ずっと愛してるよ・・。」










製作/編集-Kira_Mizuki
提供:楓の幻灯どっとこむ

この物語は、
事実を元にしたフィクションです。

実在する人物・団体名とは一切関係ありません。







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JuneBrideに憧れて-番外編-遠い未来の物語。


ほんの小さなきっかけから始まる、小さな恋の物語・・・。











TheAnotherName.一ノ瀬 美弘






  「・・信次郎、起きなさい・・?」




      「・・ん」


 
   もう朝か・・、最近すぐ眠れなくて困る・・。



          「じゃあ杏奈、仕事行ってくるよ。」



  「うん、行ってらっしゃい。」


 
     「あ・・、お父さんおはよう。」



           「お、信次郎 起きたのか、えらいぞ。」




  父は俺の頭を撫でると、すぐに振り返って家を出た。



    なんの変哲もない、普通の家庭に生まれ育った俺。


 でも、俺がまだ小さかった頃に、こんな話を聞いたんだ・・。






 「・・父さんと母さんはな、このおまじないがきっかけで仲良くなったんだ。」




      ・・・ん? なんで今更こんな話をするかって・・?








 今さ、クラスでとっても気になってる子がいるんだ・・・。




















1章-瞳の奥で






 気になる子ってのは・・・、実は、隣の席に座ってる美弘ちゃん。


    おかげで毎日学校は天国だ。






  「美島くん。」


      「あ・・、どしたの? 一ノ瀬さん。」


  「数学の教科書を貸してほしいよ。」


    ・・・今数学の時間なんだけど・・

        だからこそ・・なのか?


      「い、一緒に見る ならいいよ。」


  「じゃあ、見せてあげるよ。」


      「は・・はい・・。」






  ・・この話の噛み合わない感じが、どうしようもなく好きで・・。



      でも、どう進展させたらいいのかわからなくて・・。






  「・・え? あの話?」



      「うん、母さんが昔してくれてた話 もっと詳しく聞きたいんだよ・・。」


  「・・へぇ~、じゃぁ 誰の事が好きなのか、教えてくれてもいいんじゃなぁぃ?」



      「ぅ・・、それは・・。」


  「あはは、冗談よ。 えっと・・確かネットにそういうのが書いてある所が・・」








 「   ・好意を持つ相手の戸籍に記入されている実名と、誕生日を書き。その下に自分の名前、誕生日を記入して、その紙を燃やすと、その相手と結ばれる。

    ・どんな紙に書いてもかまわない。

    ・異性であれば、どんな状況であってもそれは行使されるが、同姓に対しては適用されない。
 
    ・どちらか片方のみが、この契約を行使しても それは相手と結ばれるまでの時間だけであって、この契約はその後の事を保障しない。

    ・この契約は、自分が、自分の名前を書かないと執行されない。

    ・この契約を執行した後、一週間の間に、起こりうる全ての状況で「きっかけ」が発生する。 しかし、執行した者が、「きっかけ」を利用しないなら、この契約によって結ばれる事はできない。

    ・可能性としては極めて低い物ではあるが、両者がそれを同時に、同じ炎で燃やす事があれば、この契約は両者が死ぬまで持続する。

    ・上記の場合、両者の寿命は、書いた時点での両者の平均寿命をとって決められ、両者は 「同じ場所」「同じ時間」「同じ原因」で死ぬ。」



  

       「名前と・・誕生日・・」


  「ま、がんばりなさい。」


       「なっ・・そんなの・・。」












 次の日、学校で直接聞く事にした。




  「・・あの、一ノ瀬さん。」


      「ん・・? どーしたの?」


  「誕生日教えてほしいんだけど・・。」


      「あ・・私の? えっと・・11月8日だよ。」


  「え・・俺と一緒・・?」


      「あ、そーなの? 偶然だねー。」


  「そ、そだね。 ぁ、じゃあ俺ちょっと用事あるから・・」






    次の時間は体育だったので、体育館に移動した。

  体育館倉庫の中で、俺は紙とペンを手に取る。




  「・・一ノ瀬・・美弘・・11月・・8日・・」


      「なぁにしてるの?」


  「え・・」


      「・・その紙なぁに?」


 一ノ瀬が 覗き込むようにして、紙を見る。


      「・・?」


  「え・・えとあの、好きな人の名前と誕生日の下に 自分の名前と誕生日も同じように書いて、紙を燃やすと その人と結ばれるんだって!」


    ・・って、何言ってんだよ俺・・。 せめてごまかせよ・・。



      「へぇ~、美島君って 意外とそういうの信じるんだ?」


  「あ・・うん。」


      「そっかぁ~、私もやろっかな♪」



    そう言うと彼女は、俺の持っていたペンを取り、俺の書いていた紙の裏に 俺の名前と誕生日、そして その下に自分の名前・誕生日を書いた。



  「・・え?」



      「えへへ、後で一緒に燃やしに行こ♪」



  「・・うん。」








    そう言って、彼女は倉庫から出ようとする。



       「・・あれ?」


  でも、扉が開かないようだ。



  「・・え?」



       「・・閉じ込められちゃった?」



  「・・・まじですか。」




     大声とかも出してみたけど、今日は水泳をやっているらしく 体育館に人はいない。


  「・・どうしよ。」



        「大丈夫、そのうち人来るよ♪」






  ・・こういう時、この子の性格ほど助けになる物ってないよな・・







 結局 放課後になって、見回りの先生に助けてもらったけど。


    ・・この紙は、燃やさないでもいいよな・・?









  思い出の一片を忘れないために、俺はその紙を胸ポケットに入れた。 人気サイトランキングへ
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JuneBrideに憧れて-第二部-和泉杏奈と皆の物語。

JuneBrideに憧れて








最終話-悠久の絆








   二人を帰らせた後、俺は手続きを済ませて病室に戻った。

     俺は一瞬、病室の前で立ち止まった・・






  ・・・杏奈、 咳き込んでる・・?



     「ぁ、杏奈? 入るぞ?」



  「ぁ・・・ 優くん、おかえり...」


          ・・この笑顔も...

               声も、いつか聞けなくなる・・。



          ──そんなの、俺には耐えらんねー。





   「どうしたの? 優くん・・・?」


       よっぽど苦しいんだろうな・・・ 俺から遠い方の手が、微かに震えてる・・


         「杏奈、もう・・・ 隠さなくていいよ。」


    「え・・・?」



         「辛いの、我慢してたんだろ・・・?」



  長い間、一緒にいたからわかるんだ・・。

    俺たちのために、無理して表情作って・・。

       ほんとは、死ぬほど痛いんだろ・・?







         「いい子だよ、お前は・・・」


    

      俺は、杏奈の頭をなで、 手にそっとキスをした。

















        ──それから2週間が経って、杏奈は再び意識を失った・・・。



































   「ただ、覚悟はしておいてください・・。」



        その言葉だけが、静かに響く・・・。




    もしこれで助かっても、治るわけじゃない...

  ただ、永らえるだけ・・・。



         このままだと、杏奈は死ぬ・・・。









  今更だけどさ、ほんとに、これで最後なのかも って思う。



   今まで、色々あった。

     杏奈に会ってから、毎日が楽しくなったのは、全部あいつのおかげなんだ・・。
















     ──でも、俺はあいつに何もしてやれてない。


 そうだな..。


    JuneBrideって言ったっけ・・・


        せめてあいつが、6月まで生きられたら・・・。














 TheLastName.和泉 杏奈





 


   杏奈が倒れてから10分、真也と柴咲さんが駆けつけてくれた。


  「あぁ、真也、柴咲さん・・。」



     「杏奈ちゃんは・・・?」




     だめだ、声が出ない・・・


         手術室の灯りだけが、俺たちを照らす・・・。




       「そっか・・・もう、会えない・・かも・・なんだね・・・。」




   ──最後に交わした言葉はなんだったかな・・。

      そんなことを考える・・・



  そういや、杏奈に最後に... 



         そう思って俺は、おもむろにポケットからある物を取り出した。



      「あ・・・それ・・・」



  杏奈が最後に俺にくれた物・・・ それは、あの時・・・ 三年前に杏奈が書いた、おまじないのメモだった・・・。




  「杏奈が、最後にくれたんだ・・・。 『持ってて』って・・・。」



        ──これがきっかけで、俺たち付き合い始めたんだよな・・・。




   ふいに俺は立ち上がる・・・



       「ちょ、ちょっと、どこ行くのよ!?」



  「ちょっとだけ、外の空気吸ってくるよ・・。」




             「でも・・近くにいてあげないと・・。」



  ─そりゃ、一緒にいてやりたい・・けど・・・













      あいつは、こうしてほしい って言ってる気がするんだ・・・。





   俺は、外に出て 杏奈がくれたメモともう一枚の紙を取り出した・・。



       ──俺が書いた「おまじない」だ。


     「──これで、いいんだよな・・・」




   俺は、その二枚に火を着ける・・。






         2枚の紙は、小さく、でも確かな輝きを放って夜の闇に消えていった・・。





  ・・・天国に行っても、また会えますように・・か、、、


























JuneBrideに憧れて...








ストーリー:kira-mizuki







キャラ提供:sinziro-suzuki








製作:楓の幻灯








SpecialThanks


見てくれた全ての読者様




























         ──可能性として、極めて低い物ではあるが・・・。









        「優くん・・・。」



   「あ・・・杏奈? 大丈夫なのか・・・?」







       ──それを同時に、同じ炎で燃やす事があれば...









  「うん! もう、苦しくないよ!」




        「そっか・・・ よかった・・。」





           ──両者の寿命は、書いた時点での両者の平均寿命をとって決められ・・・







           「信じられん・・。あれほど悪化していたというのに・・。」










               ──両者は 「同じ場所」「同じ時間」「同じ原因」で死ぬ...









         「ここまで回復していれば、退院も近いですぞ!」


  「やったぁ!」










       運命ですら変えるその力は。




             ほんの少しの勇気と


        小さな偶然・・・。












   2つの力が合わさって、芽生えた物なのかもしれない・・・。























   『──おしまい、おしまい。』



       『お父さん、もっとお話しして!』


     『ほら、お父さん 疲れてるんだから・・・ 信次郎には、私がお話ししてあげよっか』



        『うん! お母さん、あのお話しして?』


      『もぉ・・・ しょうがないわね・・・  ──あれは、私が高校生の頃・・・』















   ──JuneBrideに憧れて[最終話] -完- 人気サイトランキングへ
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JuneBrideに憧れて-第二部-美島優の物語。

JuneBrideに憧れて








第二部-小さな未来










  ・・・あれから、3年が経ち。 俺たちは無事高校を卒業した。






 向こうの親も、俺の事を認めてくれてるようで、 杏奈の頼みもあり、来年 6月に入籍する予定まで決まっていた。









今はまだ9月。



  半年以上時間がある・・・ まだ「同棲」しているだけだが。



 

  実家の仕事をさせてもらえるようになった俺は、毎日働いて、休みの日には杏奈と町に遊びにいったりなんかしてた。




     平和な毎日だった













  そう ついさっきまでは。









    ほんの数分前の事になる












 突然、杏奈が倒れた。

   公園でのんびりしてた杏奈が、急にだ。

 話しかけても返事をしなかったので、すぐに救急車を呼んで、病院へ向かった・・・。


 杏奈が、悪ふざけでこんな事するはずもない・・・。


    俺は心配でパニックに陥っていた。






 9月16日

   

   青空が綺麗に澄み渡っている日だった。


















 手術室の明かりが灯る。


  


   ・・・杏奈は 大丈夫だろうか・・






      ──ついさっきまで、あんなに元気そうにしてたのに・・・。




 さっきまで笑っていた、確かに杏奈は元気そうだった。









    ずっとそんな事が頭の中を駆け巡る


 何時間か経ったのか、部屋から、一人の医者が出てくる...






  「先生! あいつは・・ 杏奈は大丈夫なんですか!?」







     医者は、表情を少し曇らせこう言う・・・。








        「一命は取り止めました・・・、でも・・・」






  
          「そう、長くは持たないかも・・・しれません...」




             「──残念ながら・・・。」











   長くても3ヶ月 と、そう聞かされた。









         「本人には言わないでください。 症状が悪化してしまう事もありますので…」










    ──さっきまで元気そうにしてた人間が・・・そんな…








  カタカナで小難しい病名は覚えられなかった、けど。



      未だにはっきりとした治療法が見つかっていない、難病だと言う事


         そして、余命が告げられた事







これだけを覚えてる












  意識は戻ったようだが、次 いつまた発作が起こるかもわからない。


     その発作が起きた時・・・ それが最後になるだろう、とそうも言われた。










 杏奈は、しばらくその病院に入院する事になった・・。







    意識もはっきりしていて、こんなに元気そうなのに

  






       会えなくなるかもしれない


 そう思うと 言い知れない悲しみが身を包んだ。












  「・・・ねぇ、優くん?」


        「──ん?」



  「どうしたの? 深刻な顔して・・・、 私、大丈夫だよ?」




    杏奈がこっちを見て微笑みかける・・。




  『コンコン・・・』


      誰か来た様だ、病室の扉が開く・・・。









         「あれ、真也と・・・柴咲さん・・」





   「こんにちは、亜子ちゃん、柳川くん。」



              「杏奈ちゃんが倒れたって聞いたからさ、飛んできちゃったよ・・・。大丈夫なの?」


            「ぁ、これ・・・ お花持ってきました・・。」




  「柳川くん、ありがとう  綺麗だね。 私は大丈夫だよ。」



               「そっか、よかった・・。」









   あの時以来、この4人で会う事は多くなっていた。





  「そういえばさ、私、二人がどうやって付き合うようになったのか聞きたいなぁ・・。」




     「こ、こら杏奈・・。」



        「んー・・・、私はいいけど、真也君 話してもいぃ?」


           「うん、いいよ」




     「ったく、まぁいいけど・・・」




         「えっとね・・・」






   柴咲さんは、ゆっくりと話し始める・・。








  (なんか、俺たちのと似てるなぁ・・・。)





            「でさ、名前と誕生日を・・・」




  「ぁ・・・ それ! 私も・・・やろーと思ってたんだ♪」



 杏奈は、恥ずかしそうに鞄から小さなメモを取り出す・・。



      「杏奈・・・ それ、もしかしてずっと持ってたの・・・?」




  「ぅん! 大事な思い出がつまってる・・。」




    俺の名前と、誕生日の下に、杏奈の名前と誕生日が書かれてる・・。





            「へぇ~、いいなぁ~・・。 私のは、燃やしちゃったからなぁ・・。」


                「僕は、燃やさずにあるよ。燃やす勇気がなかっただけなんだけど。」




              「でも、思い出ってさ、やっぱ残しときたいじゃない?」










   (大事な思い出・・・か...)


     俺は、杏奈の持ってる小さなメモを見つめ、心の中でそうつぶやいた...











  そろそろ、面会時間が終わるようなので、柴咲さんと真也は帰らせる事にした。



       「じゃあ、僕たちは帰るね。 お大事に・・・。」



  「ぅん! 来てくれてありがとうね。」


            「杏奈ちゃん、また遊ぼうね!」


  「ぅん!」




      「じゃあ、とりあえず俺も手続きだけ済ませてくるよ。」


  「うん! 待ってるね♪」








     俺たちは、そう言って病室を後にした・・。









 「でも、杏奈さん 元気そうでよかったね。」


      「ほんと、安心したわ・・。」








    ・・・こいつらには、言わないといけない気がする・・・。








         「あの・・・さ、その事なんだけど・・。」










    「どうしたの? そんな顔して・・」





   たった一言話すだけなのに、こんなに悲しい感覚に襲われるなんて・・・。


          口を開くと、自分がわからなくなるような辛い感覚が身を包んだ・・。











   「あいつは・・・ 杏奈は、もう長くないらしいんだ・・・。」



         ・・・3ヶ月、  杏奈といる時間に確かに俺は、「永遠」を感じていた。


   でも、こんなの・・・。









     「ど、どうして!? あんなに元気そうだったのに・・・。」




   もしかしたら杏奈は、俺たちに心配かけさせないように 元気に振舞っていただけなのかもしれない。

  本当は苦しいのに、辛いのに・・。









   「──それで、後どのくらい・・・?」







        「持って、三ヶ月・・・」



  




    しばしの間、沈黙が流れる・・。







   「もう、どうにもできないの・・・?」





      


    俺は、涙をこらえるのに必死で、ただ、黙って頷く事しかできなかった。









  まだ、自分でも現実を受け入れられない。




    深い悲しみだけが、俺の世界を優しく包んでいった・・。 人気サイトランキングへ
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JuneBrideに憧れて-6-柴崎亜子の物語。



JuneBrideに憧れて
















TheFourthName.柳川 真也











1章-彼


  私の名前は亜子、 今日ね、親友の澪ちゃんに聞いたんだけどね。
    どんな恋でも叶うおまじないがあるんだって!





  そのおまじないで、気になるあの人ともラブラブになっちゃったりなんかして・・・。


     でもでも、問題が一つあるの・・ そのおまじないね、相手の誕生日がわからないとできないの・・・。










    でね、気になる彼 っていうのは、ほら、あのちょっととろそうな・・・ なんていうのかな、控えめ? な感じがすっごくいいの! 
  柳川真也君 って言うんだけど・・・


  


    女の子と話す時とかにね、すっごくあたふたして なんかそこにキュンときちゃった感じかなぁ



  まぁ、私も男の子とお話するとあがっちゃったりなんかするけど・・・

      柳川君とだったら、私も幸せになれる気がするんだ♪






















2章-おまじない



   2学期になっても、誕生日はわからないまま。

 もう押し倒しちゃおうかとも思ってた時、うちのクラスに転入生がやってきた。




   転入生君は、すぐに皆と仲良くなったようだ。





  でも、転入生君。 杏奈と全然目合わせてない気がするのは私だけ・・・?









 しかし


   私は気付いちゃったんだ。









   そうだ これしかない って。













  私は勇気を出して 転入生君・・・ 美島君に近付いてみた・・。



   「えっと・・・ 美島くん・・・?」


      「ん・・・? 柴咲さん・・・ だっけ?」

   「うん、柴咲さんだけども・・。」


   「柳川君と仲いいよね?」



       「え・・・あぁ、まぁ 悪くはないんじゃないかな。」



  そりゃまぁ 転入初日で仲睦まじくはないだろうけど 悪いよりはマシだった。


        「どしたの?」

   「えっとね・・・ その、柳川君の誕生日を聞いてきてほしいの。」






  私が少し恥ずかしがりながら話すので、彼も察してくれたのだろう、すぐに聞きにいってくれた。








  彼がこっちに戻ってくる・・・。




       「2月7日だってよ、誕生日・・・。」






  「ぁ・・・ありがとう・・。」



    ──こんな簡単に・・・


       「で、誕生日聞いてどうするのか教えてくれない?」


    ・・・まぁ、いいか 協力してくれたんだし・・・。



   「ぇっとね・・・ 好きな人の名前と、誕生日を紙に書いて。 その下に自分の名前と誕生日を書くと、その人と両思いになれる っておまじないがあるんだ・・。」



       ──美島君は、意外に真剣に聞いてくれたのでびっくりした。

        「そっか、柴咲さんがんばって!」




  ──なぜか勇気付けられた。

      でも、もう必要な物は手に入ったんだ・・・。



















    私はその日、家に帰ってその紙を燃やした。










  『──たかがおまじないだ』


     一瞬脳裏にそう浮かんだが、私は信じていた。



  特別な物は何もない、ただ、気持ちがあればそれはどんなおまじないだって通じるんだって・・・。










3章-幸せ


     次の日、私は昨日の事なんかほとんど忘れ、学校に向かった。







  教室に入り、いつも通り席に着く。









 私はいつも、予鈴の10分以上前に席に着くのだが、必ずその時にクラスの半分以上が席に着いている。





  ──さすが進学校だなぁ・・・



  このクラスで恋愛の事を気にかけてるのなんて、ほんの数人なんだろう。


    休み時間は教科書とにらめっこ、放課後は塾通い、というのがここの「普通」だった。









   「・・・子」


   「こら、亜子! 返事しなさい!」


         「ぁ、澪ちゃんおはよー。」


   「おはよー、じゃないよまったく... どーしたの? 最近の亜子、なんか変だよ?」

        「ぁ、んーん 大丈夫。」



   「大丈夫じゃないから言ってんの、ほら、言ってみな? オネーサンに全部話しな?」




         「ぁぅ・・・ 澪ちゃん・・・ 私ね・・・?」












  柳川君を好きになった事、そして、あのおまじないを使った事・・・ 全部を話した...




  「へぇ、柳川か・・・ 大丈夫、あんたなら・・。」


    そんな時、柳川君が教室に入ってきたのが見えた。




   「ほら、しっかりしなよ。」




             「ぅん・・・。」







   柳川君の席は、一番右端・・・ 私の席とは正反対だ・・・


 けど・・・。










   (──柳川君、なんでこっち来てるの・・・?)






  こっちには一人だって男子はいないってのに、柳川君はゆっくりこっちに歩いて来てる。








    ──だめだよ柳川くん・・・、それ以上こっち来られたら私・・・。

     私のすぐ隣まで来て、彼は口を開いた。




   「あの・・・ 柴咲さん・・・」



          「は、はぃ・・・。」



      ──これってもしかして・・・

            でも、こんな所で・・・?


   「えと・・・ お時間よろしければ、放課後に校舎裏まで来てくれませんか?」








   呼び出し・・・か、


     こんな大勢いるのになぁ・・・。




 でも、こんな奴等だったら、わざわざ見に来るような事しないよね・・・





    いや、それよりも・・・。



        もしかしてこれって・・・ 全部あのおまじないの・・?















  「み、澪ちゃん。」


        「ん? どうした?」


  「あのさ、あの噂って本当なの・・・?」



        「お? やっと信じたか・・・。 あれは、私もやったんだけどね、おまじないしてから、「きっかけ」って言うのかな? なんかそういうのが毎日のように起きるようになって・・・」





  ──じゃあ、やっぱり 本物なんだ・・・?








     ってことは、今のが「きっかけ」...


         ここで勇気出せ って事か・・・。





  「澪ちゃんありがと・・。 私頑張るね。」


       「おう、いい知らせ待ってる。」







   澪ちゃんも、勇気出して 好きな人と結ばれたんだ・・・。





     ──私だって・・・。


































4章-告白










   その日の放課後、私はすぐに校舎裏へ向かった・・。




          ──いた、柳川君・・・。



                 ・・・キンチョーしてきた・・。



  でも、いかないと・・・。























   「柳川・・・くん・・・?」

      



   柳川君も、私も・・・ 緊張してまともに話せない・・・。








   「どう・・・したの・・? 顔、赤いよ・・?」


      


        ──何言って・・・ 人の事言えないし・・。













       「ぼ、僕は・・・ 柴咲さんの事が好きです!」









   ぅ・・ 面と向かって言われると・・



     やっぱ、死ぬほど恥ずかしいよぉ・・・。








     けど・・・


        言わないと・・・ 勇気、出さないと・・。














  「あの・・・」



     

         「ぁ・・・えと・・。返事は、今度でいいので・・・・。」


  「ぁ、ぅん・・。」



   ・・・だめだよ...

    今、言わないと・・。


        あぁ、柳川くん... 行っちゃだめ・・・。




  「──待って!」




      気付いたら、声が出てた。


        もう、言うしかない・・・。









  柳川君は、何も言わずに立ち止まった・・。




         


















  最後に、ほんのちょっとでいい、



       勇気を出せば それは形となって現れる・・・。












   「あの・・・ね? 私も・・・。」




















   ──ほんの小さな出来事から始まる


   






        ──小さな恋の物語・・・。















  ─Cast─


美島 優     和泉 杏奈



柳川 真也    柴咲 亜子



   店長-米沢 蓮

   
  亜子の親友-春日 澪












    SpecialThanks



         見てくれた皆様



















   ・・・あれから数年・・。



    「なぁ杏奈。俺たち・・・。」










        ──JuneBrideに憧れて







   「お、おい。 どうしたんだよ!? 杏奈・・・?」
















   ・・・その力は、運命をも左右する・・・。










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JuneBrideに憧れて-5-柳川真也の物語。

JuneBrideに憧れて







TheThirdName.柴咲 亜子




   1章-あの人と一緒に



     



   僕の名前は、柳川 真也っていいます。

      深夜 とか書いたりしたらさすがに怒りますよ?




  親の勧めで、今僕は片田舎の進学校に通っています。

    別に、好きで入ったわけじゃないけど、なんか期待されてるし、それなりに頑張ってたりします。








  そんな冴えない僕にも、最近 少し気になる人が出来ました。



    あんまり目立つ感じじゃないけど、でも・・・

  すっごく可愛いと思うんだ









  ほんの少しの時間でもいい… あの人と一緒に過ごせたら・・・。









2章-噂

 
 
  学校で、こんな噂を聞きました。



    「好きな相手の名前と誕生日の下に、自分の名前と誕生日を書いて、その紙を燃やすと その人と結ばれる」



  クラスの噂好きの女子がネットで調べたんだそうな。


 僕は普段から余りそんなものを信じたりしないのだが、今回は違った。


   「わらにもすがる想い」


   こう表現していいのかわからないが、本当にそういう気持ちだった。


  僕は無意識にそのサイトを探していた。












 「あった・・・ これだ・・・。」










   ──相手の戸籍に書いてある実名と誕生日を・・・

       ──可能性として極めて低いが・・・





  『1万人以上の男女から・・・』




 まるで洗脳でもされたかのように見入ってしまう。







 でも、ふと気付く・・・。







   誕生日か・・・ まだ話した事だってないのに・・・。








 『人生そう甘くない。』


    そう、自分にいい聞かせた。





















3章-勇気







  今日は5月16日、よく晴れた青空とは裏腹に、どす黒い雲が全天を覆っていた。











    雨は降らないそうだが、僕は一応傘を持って家を出た。








  教室に着くと、誰かの誕生日祝いをしているようだった・・。



    ──こんな進学校にしては、結構珍しい事してるんだなぁ・・







 「亜子、誕生日おめでと!」









  一瞬耳を疑った。



    こ、こんなに簡単に手に入っていい物なのか・・・?









 僕は、机に入っていたノートからページを一枚破り取り、彼女の名前、そして誕生日を書いた・・。








  「柴咲 亜子 っと・・・」










    その日、僕の予感通り雨が降った。









  家に帰って、その紙を見つめていた。











    「柴咲亜子さんか・・・」








  なんだろうこの感じは・・・


    僕には、この紙を燃やす事ができない・・。










  (こんなおまじないに頼ってるようじゃ・・・ いつまで経っても変わらないじゃないか・・・。)







   



    考えた末、僕はその紙を折りたたみ、制服のポケットに入れた




    



   そして、夜が明けた・・・。



































4章-恋








  その日 僕は彼女に告白した。



      いたって普通に だ。








  「亜子さん・・・。 ずっと前から好きでした、 僕と付き合ってください!」








   こんな事を言う勇気が、僕の中のどこにあったのか教えてほしいくらいに、僕自身も驚いてる。






















  ──真也はまだ眠っている

































5章-告白







   昨日はまさかの夢オチだったが、今日こそ言おう・・・。







  そう思ってすでに半年が過ぎ、2学期に差し掛かっていた。




    でも


  ある日僕は決心した。


    なぜかはわからない。



  でも、なんだろう、不思議と 僕は今そうしなくちゃいけない気がして









  僕は彼女の近くに行き、放課後、校舎裏に来るように頼んだ。


     今までで一番彼女の近くに居た瞬間だろう。












   今まで話した事だってない僕が彼女を呼び出すなんて変な事だとは思う。


     でも、今勇気を出さないと・・・


  一生後悔する気がして・・・。










  放課後、彼女は校舎裏に来てくれた。







 これだけでも十分嬉しいんだ、でも これで終わっちゃいけない。





   「柳川・・・くん・・・?」

      


      彼女だって、どうして呼ばれたかはわかっているハズ・・・

   でも、僕が話さなきゃいけないのに・・・

     全然、声が出ない・・・。





   「どう・・・したの・・? 顔、赤いよ・・?」


      


        ──言わなきゃ、何も変わらない。











       「ぼ、僕は・・・ 柴咲さんの事が好きです!」









   言えた・・・


  もう、返事聞かずに逃げ出したい・・・。







  「あの・・・」



     うぁ・・・ 柴咲さんも顔赤い・・。

         「ぁ・・・えと・・。返事は、今度でいいので・・・・。」


  「ぁ、ぅん・・。」






   返事は怖くて聞けなかったけど、


     気持ちは伝わったんだ・・。




 
   後は、なるようになるよね・・・。



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JuneBrideに憧れて-4-美島優の物語。

JuneBrideに憧れて








TheSecondName.和泉 杏奈










  「和泉 杏奈 っと・・・」


    (確か、中学の頃にこの子の友達に聞いたんだよな・・・。)


   ──好きな人の名前と、誕生日を紙に書いて、同じように自分の名前を書き、その紙を燃やすと・・・


   「その人と結ばれる・・・か。」


 誕生日って・・・ 意外と難問だよな・・・。


    でもほんとさ、あの子がうちに来たときはびっくりしたよな。


  まさか、また会えるなんて・・・。




     誕生日... 普通に聞くのも不自然だよな・・。








  



  彼女がバイトを始めて数日経ち、彼女も大分バイトに慣れてきていたようだった。


 ふと、こんな事を言う。



 「なぁ、こんな噂知ってる?」


      「え・・? どんな?」


  「好きな人・・ ホントに好きな人の名前と、誕生日を紙に書くんだ・・・ んで、その下にさ・・・」

  
  「その下にさ・・・ 自分の名前と、誕生日を書くんだ、 それで、その紙を燃やすと・・・・」

  「その人と両想いになれるんだって。」







  ──うわ、俺なに聞いてんだよ・・・ これじゃ聞けない・・・


  いや、無意識に、こうやって自分で聞けない状況にしたのかもな・・・

     やな奴だな、俺・・








        「ね、ねぇ それって・・・ どんな紙に書いてもいいの??」


   意外に・・・ いや、女の子だったら皆そうなのかな? 興味あるみたいでよかった・・・。


  じっとコッチ見てる・・・ かわいいなぁ・・・。




      彼女と少しの間でも、楽しく居られた・・・ それだけでとても幸せだったんだ・・。










TheSecondName.
















      1章-ボクノスキナヒト


   




  最近、すごくはっきりとわかった事がある。







     俺は和泉が好きだ、

  それも どうしようもないくらいに。








  このままだと本当にどうにかなりそうだ、


  けど・・・


    残念ながら、「きっかけ」が何一つない・・。

 「きっかけ」さえあれば・・・ 俺も・・・。








  唯一の救いは、ほとんど毎日和泉に会えてるって事。


  本当は、バイト休みの時にでも一緒にどっか行きたいんだけど・・・


 付き合ってもないのに、やっぱそういうのって変だよ・・・な?



   ただ、普通に話してくれるし、嫌われてるわけじゃない・・・のかな?














  そんな時、店長にこんな事を聞いた。




  「そうだ美島、来週の土曜日暇か?」

       「えっ・・、一応予定はないですけど・・・。」




  店長と話すのは面接以来だ。



  「そうか、お前も仕事頑張ってるみたいだしよ いい物やるよ」



  そう言って、店長は何か紙切れを取り出して俺に手渡す。



        「えっと・・・これは?? 二枚ももらっても・・・。」


  「土曜日公開の映画のチケットだ、特等席だぞ? 誰か誘って行きな。  例えば・・・ 杏奈ちゃんとか。」




・・・

      「なっ・・・ 知ってたんすか!?店長・・。」




  「ほら、頑張れよ、応援してるよ。」




 なんだよもう・・・ 恥ずいなぁ・・・


    でも、いい「きっかけ」にはなるのかな・・・?









2章-EndlessStory


   




   木曜日、誘うなら早いほうがいいだろうと思い、和泉が来るのを待っていた。


  そして、和泉が来る・・・。


    でも、俺が話そうとする前に

       和泉から話しかけてきた・・・。










「あの・・・美島君・・・?」



      「ん? どーした?」




   「その・・・、美島君ってさ・・・ 好きな人とかいるの・・?」



   
    ・・・ここまでストレートに聞かれると・・・。


    なんて言っていいのかわかんねぇ・・・。
























    「ん・・・ 俺は・・・ その・・・。」


  
   やべー、絶対俺顔赤い。

     穴が存在したら侵入したい。
























  「じゃぁ・・・、誕生日、教えて・・・?」





    不意を打たれた・・・ まさか和泉が・・・


     これは...夢...だよな・・・?






  気付けば俺は彼女の唇をふさいでて、自分でも何をしてるのかわかんなくなってた。




   「ん・・・ッ」


  慌てて離れる・・・

     ダメだ、絶対俺嫌われた。


       せっかく和泉が勇気出して言ってくれたのに・・・

   何やってんだよ 俺・・・。











  「・・・ごめん...」
         
       どう頑張っても、目なんか合わせられない。
 でも・・・


     「ぅうん・・・。」

        絶対怒ると思ったのに・・・。

     彼女の瞳は潤んでて、顔もすごく赤くて、でも・・・

  その姿がすごく可愛らしく見えた。




    この子を守りたい と、そう思った。





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JuneBrideに憧れて-3-和泉杏奈の物語。









JuneBrideに憧れて








The First Name.美島 優





1章-Process


    





   ・・・あった、小さいメモ帳・・・。


       ピンク色のラインと、右下にコスモスが描かれてる。







  「えっと・・・。美島 優 っと・・・。」




   あぁ、でも・・・


     確か、これって誕生日も書かないといけないんだよねぇ・・・



誕生日知ってる っていうのは 結構な仲になってる気がしないでもない。



 こういうのはお約束・・・か・・。




   しかもさ、教えてくれた本人にこんな事聞いたら、私バカみたいじゃん・・。

 



そう言いながら、家でネットを見ていると、こんなページを見つけた。



  「全国1万人の男女から、成功事例多数! 『恋の魔法』!」



 (ナニコレ・・・ こういうのってほんとに成功事例とか来てんのかなぁ・・・。)


と言いつつ見てしまう。 こういうのは嘘でもほんとでも大好きなのだ。










(恋の魔法・・・か・・・)


  恋の魔法
  
    ・好意を持つ相手の戸籍に記入されている実名と、誕生日を書き。その下に自分の名前、誕生日を記入して、その紙を燃やすと、その相手と結ばれる。

    ・どんな紙に書いてもかまわない。

    ・異性であれば、どんな状況であってもそれは行使されるが、同姓に対しては適用されない。
 
    ・どちらか片方のみが、この契約を行使しても それは相手と結ばれるまでの時間だけであって、この契約はその後の事を保障しない。

    ・この契約は、自分が、自分の名前を書かないと執行されない。

    ・この契約を執行した後、一週間の間に、起こりうる全ての状況で「きっかけ」が発生する。 しかし、執行した者が、「きっかけ」を利用しないなら、この契約によって結ばれる事はできない。

    ・可能性としては極めて低い物ではあるが、両者がそれを同時に、同じ炎で燃やす事があれば、この契約は両者が死ぬまで持続する。

    ・上記の場合、両者の寿命は、書いた時点での両者の平均寿命をとって決められ、両者は 「同じ場所」「同じ時間」「同じ原因」で死ぬ。







 



   (・・・なんか、信じていいのか悪いのか・・・)



  それよりも重大な事に気付く・・・



     (「きっかけ」を作ってくれるだけ・・・か・・・。)


   自分で行動しないと・・・ だめなんだよね・・・ やっぱ。















2章-Birthday


 

  ぁ~


 美島君の誕生日・・・


   わっかんないよぉ・・・。




      それに・・・ 美島君の好きな人・・・












  ・・・もぉ、私らしくもない! しっかりしないと...




バイトに行く・・・


  「よぉ、おはよう。」


     「ぁ、おはよー」

  



   もう雑用も慣れてきたのに、まだ美島君とこうしてるのが夢みたいで・・・。






  そんな時、美島君が思いがけない事を言う・・・。











  「そういえば、和泉ってさ誕生日いつ?」



      「え・・・、6月18日だけど・・・?」










    え・・・? これってもしかして・・・。








  「あの噂さ、試してみようと思って・・・。 俺、和泉の事好きなんだ。」



       「え...?」




















  その時、私は目を覚ました。







   (ったく、夢かよ・・・・)


 



 
       (いや・・・)


 (そりゃ、夢だよね・・・。)








   「やば、バイト遅れる・・・。」








 私はその日、またバイト先へ向かった。












































3章-キミノスキナヒト


   






    さっきの夢が、妙に頭に残る・・・。



        あー・・・。変にリアルだし・・・。


   想像だけ広がってく・・・。









 もぉ、めんどくさい・・・。
    直接聞こう...









     そうすれば、彼だって・・・。












   「あの・・・美島君・・・?」



      「ん? どーした?」




   「その・・・、美島君ってさ・・・ 好きな人とかいるの・・?」



    ち、違う・・・。 何言ってんだ私・・・。


   誕生日聞かないと・・・。


  ・・・でも、好きな人いるなら・・・。








  ちょっと、諦めかけた私がいた。

      (美島君? ちょっとだけ・・・顔赤いよ・・?)




    「ん・・・ 俺は・・・ その・・・。」


  



  聞くしかない、そう思った。


    例え、結ばれるまででもいい。


      それでもいいから・・・。


 美島君と、一緒にいたい・・・。












  「じゃぁ・・・、誕生日、教えて・・・?」








    私も、顔が真っ赤になる・・。

     だめだ、言わなきゃよかった・・・。


  ここで振られたらどうしたらいいんだよぉ・・・。










       「えと・・・ 2月の6日だけど・・・」



  やたっ、誕生日聞け...
        「ん・・・ッ」




   次の瞬間、私の口がふさがれた...
          そう、彼の唇によって・・。



    少しして、互いの唇が離れる・・。


      二人とも 顔が真っ赤だ。





        「ごめん・・・。」

    「ぅうん・・」


      そりゃ、『何すんのよ!』って怒るのが普通なんだろう・・・けど・・。


  例え、順番が逆でも・・・。








  
   「俺さ・・・ 和泉の事、前から好きだったんだ...」


   だめだ、頭ん中真っ白んなっちゃってる・・。



  けど・・・言わなきゃ・・・。



     「わ、私も・・・。」









  もしかして・・・、これも...

   夢なのかなぁ・・・。












  「和泉・・? どしたの?」

     「ぁ、いや・・・ ぅうん...  なんか、夢みたいだなぁ・・・ って思って・・・。」



  
   私がそう言うと、彼は私のほっぺに手を伸ばして、軽くつまんだ。


       「い、痛ひよぉ・・ 優君・・。」


   夢じゃないみたい・・・ ってか、思わず私優君って・・・。



   「な? 夢じゃないだろ?」




    夢でもいい、楽しまないと損だよね




  「杏奈、これから いっぱい楽しい事しような!」







 ───噂なんか頼らなくたって、ちゃんと想いは通じた・・。
    

      大好きな人と歩む長い道のり。

   


   これから何を見てくんだろう───









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JuneBrideに憧れて



ほんの小さな出来事から始まる、小さな恋の物語。












JuneBrideに憧れて







The First Name.美島 優



夏休みが始まり、バイトにも本格的に身を入れる事にした。


でも、私がバイトをする目的は、最初とは全く違ったものになっていた。



 「美島くん、おはよう!」

       「あぁ、和泉さんおはよー。」



そう、今はもう 彼に会うためだけに毎日早起きしてバイトに来てるようなもんだ。



  事実、バイト代なんかほとんど気にならない程だった。






   毎日、彼と一緒に・・・


    そりゃ、雑用だけどさ・・・



 彼と一緒だったら、どんな時間も、楽しく感じる事ができた。









 そんなある日、彼が突然こんな事を言い出した。

























 「なぁ、こんな噂知ってる?」

      余りに突然だったので、私は皿を落としそうになった。

      「え・・? どんな?」



 彼は、急に真面目な顔をして話だした。


  「好きな人・・ ホントに好きな人の名前と、誕生日を紙に書くんだ・・・ んで、その下にさ・・・」

  彼の表情がいやに真剣だったので、私は思わず見入ってしまった。

  「その下にさ・・・ 自分の名前と、誕生日を書くんだ、 それで、その紙を燃やすと・・・・」

  「その人と両想いになれるんだって。」











   -なんか、意外だなぁ・・・ 美島君がこういうの好きだなんて・・・


  ちなみに 私はこういう噂が大好きだったりする。

       「ね、ねぇ それって・・・ どんな紙に書いてもいいの??」

  「うん、俺、結構こういうの好きなんだ。」







 でも、今気付いた・・・・



  これを私に言うって事はさ・・・ 





     美島君、他に誰か好きな人いるんじゃないのかなぁ・・・。





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JuneBrideに憧れて-1-和泉杏奈の物語。


JuneBrideに憧れて




ほんの小さな出来事から始まる、小さな恋の物語。








TheFirstName.美島 優








最初にあの人と出会ったのは、中学二年生の時。



今でもはっきり覚えてる

二学期の最初に、彼は私の通ってた中学に転校してきた。







「かっこいぃ・・・。」



第一印象は、ただそれだけ。



でもね


顔がいい、とかそんなんじゃなかった。








なんだろう・・・ 他の男子には感じなかった、確かな「魅力」を感じた。










でも、それを私はそのときに、「恋」だとは感じなかった。



まだ私にはそれを考えられる頭がなかったのかもしれない。


私と彼は、違う高校に入学して、それから会う事はなかった。












高校1年の夏


部活にも入っていなかった私は、近くの定食屋でバイトを始めた・・・。









そこで、彼と再会する。







再開 と言うと聞こえがいいが、私は彼と話した事がない、ただのクラスメイトだったし、特に用事もなかった。


それに、例え彼に自分が恋をしてる事を自分でわかっていても

私には彼に話しかける勇気はなかっただろう。








私のバイト初日、店長が私を紹介してくれた。


奥で皿洗いをしている男の人が見えたので、一応、その人にも挨拶しようと思い、そっちに行ったんだけど・・・








どこかで見た、いや、すごく鮮明に覚えてる私がいる。

でも、もう会えないと思って、忘れたいと思ってた存在。







「えと・・・もしかして、美島君?」




思わずそう聞いてしまう・・・。




彼も数日前からバイトを始めたらしく、まだ皿洗いくらいしかやらせてもらえないそうだ。








   「んっと・・・、会った事・・・。 ぁ、もしかして 同じクラスだった和泉さん?」


覚えててくれたんだ・・・ ってか、一回だって話した事ないのに、ちゃんと名前まで・・・。




  まさか、こんなとこで会うなんて思ってもないし...








   「そっかー、和泉さん髪切ったんだね~。 だからわからなかったのかなぁ。」





   「ショートも、似合ってると思うよ かわいいしね。」







自分でも 自分の顔が真っ赤になってるのがわかった・・・。

「そ、そんな・・・、かわいくなんて・・・。」


       男の人に「かわいい」なんて言われたの初めてだし。。。
   もしかして、これってただの夢・・・ だよね?












でも、すぐにこれが夢じゃないのがわかった



「あっ・・・。」







 グラスを洗っていると、指先に激痛が走った。

   血が出てる・・・ 欠けてたのに気付かなかったのは、私が悪い・・・




 ってか、夢じゃないのはわかったけど・・・


これはやりすぎだよぉ・・・








・・・かっこ悪いなぁ、私・・・


 こんなの見られたら私・・・。




でもそこに彼はやってくる。




   「うわっ、どうしたの!? 痛そう・・・。」


         やばい、めっちゃ恥ずい、耐えらんない・・・。



       「あの・・・グラスで切っちゃって・・・」


    グラスを見せる。

   「なにこれ、欠けてんじゃん。 危ねぇなぁ・・・」

   「ってか 血! どうにかしねーと!」





彼は私の・・・ 血が出てるほうの手をつかんで、血が出てる指をくわえた。






          「え・・・」


    また赤くなる... こんな事されたら誰だってなるよ・・・ね?


 


 彼は少しして そのくわえていた指を離した。







      「あの・・・」

         「ほら、血止まるまで休んでなって。 食器俺がやっとくから・・」







   やばい、すごいドキドキしてる・・。

  でも、まさかまた会えるなんて・・・



        運命って、信じていいのかな・・・?










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